昨日、一本の電話相談があり、その内容をお聞きすると、「リューマチの痛みが何とかならないか?」ということでした。
リューマチで苦しんでいる方は、全国で数十万人いるとされ、最近、非常に多くなってきた疾患です。
お電話では、1箱18,900円のある健康食品がリューマチに効く、という本を見つけどう思うか?という内容でしたが、店主は、その健康食品を知らなかったので有効性はわかりません、と素直に申し上げました。
しかし、・・・・店主の個人的な意見はお伝えしました。
「その健康食品は有効かもしれませんが、お値段がそこそこ高いですので、なかなか続きづらいものもあるかと思われますので、わたくし個人としては○○をオススメ致します。」と。
店主の頭の中には、リューマチと聞いたときに、真っ先に浮かんできたある生き物があったのです。
その生き物の特徴を言いますと・・・・
●あらゆるウイルスや病原体が体内に侵入しようとした時、一瞬で殺してしまうほどの免疫力を持ち、病気にはならず老衰でしか死なない。
●種類は、2万種類以上存在している。
●自分の体重の400倍近くのモノを持ち上げて運ぶことができる。
●ガン患者に少ないというミネラルであるセレンなどを豊富に持っている。
●中国では、‘玄駒’(小さな黒い馬)という名前で呼ぶこともある。
●人気漫画家の里中満智子さんは、自身のリューマチをこの生き物で克服したとされる。
など、たくさん特徴はあるのですが、店主の思うその生き物の最大の特徴は他にあるのです。
すなわち、・・・・・・
その生き物は、60日間絶食状態で餓死寸前まで放っておいた時、死んでいく直前に他の仲間を生かすために蜜を出して死んでいく、
という、まさに自己中心主義とは正反対の‘自己遠心的’な本能を発揮するという尊い行動をとるのです。
そうです、その生き物とは、ズバリ‘蟻’なのでした。
蟻は、漢字で‘義の虫’と書き、まさに、今の人間に最も少ない義に生きる尊い生命体なのです。
そして、このゴールデンウィーク中、店主の頭の中に鳴り響いていた ‘ 無 私 ’ というテーマを象徴する存在でもあるのです。
この‘無私’においては、人間界に当てはめれば、象徴的な存在に‘天皇陛下’が上げられるかと思います。
天皇陛下は、好きな私ごとを自由にすることができず、質素で無私を貫かれておられます。
小林よしのり氏の‘昭和天皇論’という本が出版されていますが、昭和天皇のことは、いろんな方面からある程度お聞きしていますが、改めてこの本を読むと涙が止まることがない魂の感動を覚えます。
昭和天皇の国民をひたすら思い、生かそうとする愛情の深さに感動し、そして、店主が最も涙が出て止まらなかったページ、それが、このコラムの中にも出てきている南方熊楠と陛下の出会いの場面なのでした。
南方熊楠は、我国が輩出した偉大なる粘菌学者であり、その記憶力は空海と同じで、一度見たりしたことをほとんど忘れなかったという恐るべき力を持ち、18カ国語を自由に操ったという博識の極みであった人物でもあります。
そして、陛下が和歌山に行かれた時、この熊楠が陛下の案内役を承り、熊楠と共に前人未到の自然が手つかずの状態で保存されていた神島(かしま)という島の植物たちを観察され、熊楠は、戦艦・長門の上で植物の標本110個をマッチ箱に入れ、それを桐の箱ではなく‘森永のミルクキャラメルの箱’にしまい献上したのでした。
植物学者でもあられた昭和天皇にとっては、恐らくこの時が人生最大の楽しい時間だったことは、熊楠亡き21年目に詠まれた以下の御製でも読み取れます。
「 雨にけぶる神島を見て 紀伊の国の生みし南方熊楠を思ふ 」
天皇という存在が、一個人を歌に詠むということ自体が前代未聞で、いかに熊楠といたわずかな時間が貴重で楽しかったか。
逆にいえば、天皇という存在が、いかに個人の自由がなく、孤独の極みであるかということでもあります。
この溢れ出てくる涙は、今の自分がいかに自由で、好き放題何でもできることが許されているということへの感謝の気持ちの裏返しでもあります。
幸福ということの対極に思い通りいかない不自由さの感情があります。
もし、思い通りにならない時は、自分が理想とする状態を地で行っている人物に付き、同じことをマネることです。
ただ・・・、
それにも時期があり、蟻が‘虫’であり‘ 無 私 ’であったように、最初は無私で蟻のように自分の我をなくしてマネに徹し、後に自分独自の境地を確立していけば良いのです。
いつまでも言われた通りのことをしたり、マネだけをしていたのでは進歩発展もなく、その人独自の個性も何もない金太郎飴になってしまいます。
最終的には、自分を真に活かし、一個の独立した存在でなければ、他を生かすこともできなくなるからです。
ということで、今回は‘無私’というテーマでお話をしたのですが、最後に虫の話をもう一つ。
カマキリという昆虫がいますが、メスがオスを栄養源として食べてしまうというあまり響きのよくない存在として認識があります。
しかし・・・
このカマキリも‘本能’は捨てておけない偉大な力を持っています。
それは、新潟などの雪の多く降る所で発揮されることで、その年、どれくらい降雪があるかを事前に察知し、雪が多く降ると感じると床上はるか高く巣を作り、雪が少ないと判断すると巣の位置を低いところに作っているということなのです。
これは気象庁の予測より何倍も正確と言われていますので、現代科学も及ばないすばらしい本能が虫にもたくさんあるということです。
あと、何かの災害、遭難で食べるものがなくなったときは、虫を食べると良いということを覚えておいて下さい。※当然、蟻は最高ランクに属し、砂糖を持っていれば向こうからやってきてくれます。
毒を持っているものでも火であぶればすべて大丈夫で、アミノ酸が非常に多いという特性を知っておくことは大切です。